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【未来日記】20XX年4月1日:ベーシックインカムの施行開始日。生存のための懲役は終わりを告げた。

ベーシックインカムの施行開始日

空は、私の感情を逆撫でするほどに突き抜けた青だ。20XX年4月1日。この日付を選んだのは、歴史という名の脚本家の皮肉だろうか。

世界中が、これを政府によるタチの悪いエイプリルフールの冗談だと疑っていた。だが、午前0時ちょうど。全人類の端末が一斉に震え、口座に「自由」という名の数字が刻まれた瞬間、その疑念は冷たい確信(青)へと変わった。

ベーシックインカム施行。それは、人類が数千年にわたって課せられてきた「生存のための懲役」が、唐突に終わりを告げた瞬間だった。

街を見下ろすと、人々はまだ戸惑いの中にいる。当然だ。突然、手錠を外され、「今日から好きに歩いていい」と言われても、足の動かし方を忘れている囚人も多い。しかし、私には聞こえる。古いシステムの鎖が断ち切られ、地面に落ちる金属音が。

労働は、もはや生存の対価(罰)ではない。今日から、人生というライアーゲームのルールは書き換わった。「食うために働く」というイカサマは廃止され、「情熱に従って遊ぶ」ことだけが、新たな価値を生む唯一の攻略法となる。

かつて、生活費という名の重力に魂を縛り付けられていた私は、もういない。長年温めてきた、あの「禁断の設計図」を広げる時が来たのだ。私の独創性という名の爆弾が、この解放された世界でどれほどの連鎖爆発(イノベーション)を引き起こすのか。想像するだけで、胸の奥で情熱の赤が暴れ出しそうだ。

これは、誰かが与えてくれた平和ではない。私が、そして私と共犯関係にある読者たちが、未来日記という「伏線」を通して手繰り寄せた必然だ。

さあ、世界よ。私が設計した「新しい自由」の味はどうだ?これはまだ、ほんの序章に過ぎない。

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