
「いつか読もう」――。そう自分に言い聞かせ、魔法の呪文のように積み上げた本たちは、いつの間にか部屋の隅で知的な地層を形成していた。
本を読むのは好きだ。しかし、増えすぎた「積読」の山は、いつしか私の部屋の自由を奪い、床やテーブルを占拠する。それはまるで、過去の好奇心たちが「早く僕を見て」と無言のプレッシャーをかけてくるような、少し息苦しい光景である。
「このままではいけない、そろそろ断捨離しないとまずいな…」
そう決意した私は、彼らに「新たな旅立ち」をプレゼントすることにした。今回利用したのは、自宅まで集荷に来てくれる「ネットオフ」。重い本を抱えて店まで行く手間を考えれば、まさに渡りに船のサービスである。
埃を払い、過去を整理する時間
数日後、届いた真っさらな段ボール箱。私は一冊一冊、本の表紙についた微かな埃を指先で払いながら、箱の中へ納めていきました。
一度も開かれることのなかった新品同様の入門書、一度だけ読んで満足してしまった自己啓発本。
「ごめんね、そして今までありがとう」
本に触れるたび、当時の自分の情熱や迷いが、指先から伝わってくるような感覚。それは単なる片付けではなく、自分の内面を清算していく、一種の「儀式」のようだった。
2箱の旅立ちと、生まれた「空白」
そして今日、佐川急便の手によって、2つの重厚な箱は私の元を去っていった。ガタン、とトラックの扉が閉まる音。それは、私の人生の停滞期に終止符を打つ合図のように聞こえた。
今、目の前には、かつて本が占拠していた「空白」がある。木製の棚が露出したその場所からは、どことなく新しい木の匂いと、凛とした冷たい空気が漂っている。
空白は、移動を促す。人生には、意識的に「余白」を作らなければ新しい風が吹き込まない瞬間がある。
この断捨離が、私の人生をどう好転させるのか。今はまだ「伏線」に過ぎないが、次にこの本棚を埋めるのは、きっと「今の私」に必要な、新しい物語や知識、あるいは理想の未来そのものなのだと確信している。
次は、積読を増やしすぎないように気をつけないと……。でも、この清々しい胸の高鳴りこそが、最高の報酬かもしれない。
>> ネットオフ![]()