【中学数学】計算ミス激減!正負の数の四則演算で9割が間違える落とし穴と回避法

「公式もルールも覚えたはずなのに、なぜか答えが合わない……」
「テストが返ってくると、いつも計算ミスで点数を落としている」
中学1年生の数学で最初に立ちはだかる壁、それが正負の数の四則演算(混じった計算)です。
実は、四則演算で計算ミスをする生徒さんの9割は、まったく同じ場所でつまずいています。
計算力がないわけでも、頭が悪いわけでもありません。
「計算の優先順位」にある、特定の落とし穴にハマっているだけなのです。
この記事では、教科書的なルールの解説だけでなく、プロの家庭教師の視点から「みんなが間違えるポイント(魔のゾーン)」を重点的に解説します。
これを読めば、「なぜ間違えていたのか」がスッキリ分かり、次のテストからケアレスミスが劇的に減るはずです。
まずは確認!計算の優先順位「王道の4ステップ」
まずは、基本として四則演算で計算する際の優先順位について確認しましょう。
以下の4ステップの順番で計算していきますよ。
1. かっこ
最も優先されるのは、かっこ()です。
まずは、かっこの中を計算していきましょう。
$$(-3 + 7) \times 5 = 4 \times 5 = 20$$
2. 累乗
次に優先されるのは、累乗です。
累乗というのは、数字の右上に数字が書いてあるやつです。
これは、数字を右上の回数だけ掛けたものという意味になります。
$$2^3 = 2 \times 2 \times 2 = 8$$
3. 乗算・除算(掛け算・割り算)
その次に優先されるのは乗算・除算。
気をつけるポイントとしては、左から順番に計算していくこと。
もし逆から計算すると結果が違ってしまいますので注意してくださいね。
$$(-27) \div 3 \times 5 = -9 \times 5 = -45$$
4. 加法・減法(足し算・引き算)
最後に計算するのは加算と減算。
こちらも左から計算していくことを心がけましょう。
$$5 – (-7) + 8 = 5 + 7 + 8 = 12 + 8 = 20$$
【ここが魔のゾーン】9割が間違える「3つの落とし穴」
四則演算のルールは知っているはずなのに、テストで点数が伸びない。
そんな時は、以下の「3つの落とし穴」のどこかにハマっている可能性が高いです。
これらは、最もミスが多発する可能性が高い「危険地帯」です。
ここさえクリアできれば、数学の景色が変わりますよ。
落とし穴①:「\((-3)^2\)」と「\(-3^2\)」の違い
これが中1数学における「最大のひっかけ問題」です。
見た目はそっくりですが、答えの符号が全く逆になります。
- \((-3)^2\) の場合カッコの外に2乗があるので、「カッコごとかける」という意味です。つまり、「-3というカタマリ」を2回かけます。$$(-3) \times (-3) = +9$$
- \(-3^2\) の場合これは「\(3\) にだけ」2乗がかかっています。マイナスは関係なく、ただ横で待っているだけです。「\(3 \times 3\) を計算して、最後にマイナスをつける」という意味になります。$$-(3 \times 3) = -9$$
2乗という数字(指数)が、「誰の右肩に乗っているか」を見てください。
かっこの右肩なら「かっこ全体」、数字の右肩なら「その数字だけ」リピートされます。
落とし穴②:割り算の後ろに分数がある時の「逆数」忘れ
「割り算は掛け算(逆数)に直す」。
これは誰もが知っています。
しかし、式が長くなると、焦って「逆数にするのを忘れる」、あるいは「ひっくり返し間違える」ミスが急増します。
特に危険なのは、以下のようなケースです。
$$12 \div (- \frac{2}{3}) \times 4$$
ここでよくある間違いが、勢いでそのまま計算してしまうこと。
割り算記号「\(\div\)」を見たら、反射的に「\(\times\)」に変えて、後ろの数字をひっくり返す(逆数にする)クセをつけましょう。
$$12 \times (- \frac{3}{2}) \times 4$$
「割り算」なんて存在しない、と思いましょう。
見つけたら即座に「逆数の掛け算」に変換です。
※帯分数(\(1 \frac{1}{2}\)など)は、必ず仮分数(\(\frac{3}{2}\))にしてからひっくり返してくださいね!
落とし穴③:掛け算と割り算が混ざった時の「符号」ミス
「数字の計算」と「プラス・マイナスの判断」を同時に頭の中でやろうとすると、脳がパンクしてミスをします。
例えばこの式。
$$(-2) \times 5 \times (-3) \times (-4)$$
「マイナス2かける5はマイナス10で、それにマイナス3をかけるからプラス30で、さらに…」とやっていると、途中で分からなくなります。
計算に取り掛かる前に、「答えの符号」だけを先に決めてしまいましょう。
- 式の中にマイナスが奇数個ある → 答えはマイナス(\(-\))
- 式の中にマイナスが偶数個ある → 答えはプラス(\(+\))
このルールを使って、最初に符号を書いてしまいます。
あとは安心して数字の計算(\(2 \times 5 \times 3 \times 4\))に集中するだけです。
「符号決め」と「計算」は別作業です。
料理で言えば「下ごしらえ」と「調理」くらい違います。
混ぜずに一つずつ片付けましょう。
まとめ:途中式は「面倒」ではなく「点数を守る盾」
ここまで、中1数学で最もつまずきやすい「3つの落とし穴」と、その回避方法をお伝えしました。
- 累乗の位置(カッコの外か中か)を指差し確認する
- 割り算を見たら、即座に「逆数の掛け算」に直す
- 符号(プラスかマイナスか)を最初に決めてしまう
そして、これら全てのミスを防ぐ最強の方法が、「途中式をサボらずに書くこと」です。
多くの生徒さんが「書くのが面倒くさい」「速く解きたい」と思って暗算に頼ります。
ただ、実は途中式を書くことこそが、最も確実で、結果的に最も速い近道なのです。
途中式は、あなたの頑張りを計算ミスから守ってくれる「盾」のようなものです。
テスト本番、たった1行の式が、あなたの10点を守ってくれます。
「自分のミスの癖」を客観的に知りたい方へ
そうは言っても、「自分がどこで間違えているのか、自分では気づけない」というのが、数学の厄介なところです。
一度ついた「間違った計算のクセ」は、一人で直すのになかなか苦労します。
もし、
「記事の内容は分かったけれど、実際に解くと間違えてしまう」
「うちの子、まさにこのパターンで苦戦しているかも」
と感じられたら、一度プロの視点に頼ってみませんか?
私は現在、中学生向けのオンライン家庭教師として活動しています。
単に「問題の解き方」を教えるだけでなく、「その子がどんな思考のクセで間違えているのか」を見つけ出し、ミスの原因を根本から解決する指導を行っています。
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